肝臓は沈黙の臓器と言われ、自覚症状の無いことが多く、早期に適切な検査と治療を行うことが大切です。
当院では、C型肝炎、B型肝炎をはじめ、生活習慣病からの肝疾患など、肝機能障害に関する診療を行っております。

肝臓内科で診療する主な病気と症状

C型肝炎

C型肝炎は、感染している人の血液や体液を介してC型肝炎ウイルスに感染することにより起こる肝臓の病気です。感染すると約70%の方が持続感染し、自覚症状が無いことも多く、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する要因となります。

B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液を介して感染することにより起こる病気です。感染経路としては、母子感染や後天性の性的接触・輸血・臓器移植・刺青・針刺し事故などがあり、B型肝炎は感染した時期や健康状態によって、一過性感染で終わる場合と6ヶ月以上にわたって感染が持続する持続感染とに分けられます。

脂肪肝

肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態で、自覚症状はほとんどありません。主な原因は、常習飲酒、肥満・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)、薬剤摂取などとされています。脂肪肝が慢性化した状態に肝硬変があり、肝がんにも発展する可能性がありますので、普段から適度な運動や食生活、お酒の量を減らすなどを心がけることが大切です。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

ほとんどお酒を飲まない人が脂肪肝炎になり、肝硬変、肝がんへと進行する場合があります。これは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と言われ、自覚症状もほとんどありません。主な原因は、肥満・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)、薬剤摂取などとされていますが、そのメカニズムはいまだ解明されていません。確定診断の際は、血液検査などで判断がつかないため、肝臓に針を刺し、肝臓の組織や細胞の一部を採取する肝生検が必要です。

検査を受けたほうが良い方

肝機能検査上、異常が無い場合でも肝炎ウイルスに感染している場合がありますので、一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。特に、以下の項目に当てはまる人は、検査を受けることをお勧めします。

  • これまでB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査を受けたことが無い方
  • ご自身のB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査の結果をご存じでない方
  • ご家族にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染している方、肝がんの患者さんがいる方
  • 健康診断の血液検査で肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT))の値の異常を指摘されたものの、まだ医療機関を受診されていない方
  • 母子感染予防策が実施されていなかった1985年(昭和60年)以前に生まれた方
  • 輸血や大きな手術を受けた方
  • 入れ墨を入れたり、医療機関以外でピアスの穴を開けたことのある方

当院での診察により、高度な医療や入院が必要と判断されたときは、症状に適した専門科を判断し、連携医療機関への紹介も行っております。