予防接種

予防接種とは、病気にかかるリスクを軽減するため、ワクチン接種により事前に免疫をつけることで、特定の病気にかかりにくくする方法です。また、万が一病気にかかった場合でも、重症化を防ぐ効果があると言われています。

当院で接種可能なワクチン

インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンについては、いつでも来ていただいて随時接種できます。(誠に恐れ入りますが、ご予約は承っておりません)
その他のワクチンについては、ワクチンの取り寄せが必要なため、事前のご連絡が必要です。
また、下記以外のワクチンにも対応しておりますので、ご希望の場合はスタッフまでお申し出ください。

インフルエンザワクチン

インフルエンザウイルスは、毎年異なる種類が流行するため、毎年接種する必要があります。また、接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、その後、約5ヶ月間持続するため、流行前の10月下旬~12月頃までに接種することをお勧めします。

接種費用

肺炎球菌ワクチン

65歳以上の方や慢性的な持病をお持ちの方などは、肺炎球菌ワクチンの予防接種をお勧めします。

肺炎球菌ワクチンの接種はいつでも可能ですが、5年以上の間隔をあけて接種する必要があるため、過去に接種したことがある方は、必ず接種歴を確認した上で接種してください。また、肺炎球菌とインフルエンザの予防接種を併せて行うと予防効果が高まりますので、共に接種することをお勧めします。

風疹ワクチン

風疹の感染を予防するワクチンです。男女を問わず未接種・未罹患の場合、ワクチン接種の検討をお勧めします。特に、女性の方は、妊娠初期に風疹にかかると、胎児に感染してしまう可能性があります。重症になると、胎児に心臓奇形や聴力障害、白内障、発達障害などの先天性異常が起こることがあり、母体が風疹により胎児奇形が生じる割合は、約4割と言われています。赤ちゃんを望まれる方は、一度検査を受けて確認しておきましょう。また、子どもの頃に風疹にかかった記憶があっても、水ぼうそうの間違いだったというケースもあります。特に昭和54年4月~昭和62年9月生まれの方は、予防接種率が低く、免疫の無い女性が多いので注意が必要です。風疹に対する免疫の有無は、簡単な血液検査をすればわかります。免疫が無いと判断された場合は、妊娠していないことを確認し、予防接種を行ってください。風疹ワクチンは、生ワクチンのため軽い症状が起こる場合がありますので、接種後約2ヶ月間の避妊が必要です。

MRワクチン

MRワクチンは、麻疹・風疹の病原体を弱毒化(生ワクチン)した2種混合ワクチンで、原則2回接種する必要があります。2回接種することで予防効果を増強でき、1回の接種では予防効果が得られなかった人に対しても免疫をつけることができます。

※MRワクチン接種後、他の予防接種を接種するまで、27日以上の間隔をあける必要があります。

水痘(みずぼうそう)ワクチン

水痘の感染を予防するワクチンです。水痘の感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染です。感染すると、約2週間後に発熱と水疱などが現れます。主に子どもが感染し、ごく稀に死に至るケースもあります。また、成人が発症した場合、重症化しやすいと言われています。

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜの感染を予防するワクチンです。おたふくかぜの感染経路は、飛沫感染、接触感染で、成人が感染した場合、生殖機能に後遺症が残るケースもあり、重症化しやすいと言われています。多くの場合、3歳から12歳頃の集団生活で感染しますので、3歳までに接種することをお勧めします。

予防接種を受けることができない方

  • 37.5℃以上の熱のある方
  • 急性疾患にかかっている方
  • 予防接種でアレルギー反応を起こしたことのある方
  • 1ヶ月以内に本人または周囲で麻疹、風疹、おたふくかぜにかかっている場合
  • 1ヶ月以内に麻疹、風疹、おたふくかぜや予防接種を受けた方
  • 妊娠しているとき(※生ワクチンを接種する場合に限る)
  • その他、医師の判断によるもの
    ※体調不良や年齢、妊娠・持病の有無などは、正確に医師へ申告ください。

予防投与

当院では、インフルエンザの予防接種に加え、抗インフルエンザ薬を用いた予防投与(自費診療)を提供しています。身の回りでインフルエンザの陽性者が出た場合(接触後48時間以内に内服開始が必要)や、大学受験などの大切なイベントを間近に控えている方などに予防投与をご利用いただいています。

予防投与とは?

抗インフルエンザ薬には、感染初期に使用することでウイルスの増殖を抑制し、症状を軽減する効果があります。この効果を利用して、感染しても発症させない「予防投与」という方法があります。
当院で処方するイナビルには、1回の投与で10日程度効果が持続し、7割程度の発症予防効果があるといわれています。

予防投与の対象者

予防投与ができるかどうかは、診察したうえでの判断となります。
なお、薬剤の添付文書では、予防投与について以下のように記載されています。

原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族または共同生活者である次の方を対象とする

  • 高齢者(65歳以上)
  • 慢性呼吸器疾患または慢性心疾患患者
  • 代謝性疾患患者(糖尿病など)
  • 腎機能障害患者

上記に当てはまらない場合は適応外使用となり、自己責任での投与となりますが、大事な受験前などの様々なご事情で予防投与を希望される場合は、医師にご相談ください。
※自己責任での投与のため、予防投与により大きな副作用が出た場合、厚生労働省の「医薬品副作用被害救済制度」の対象とならない場合があります。

予防投与に注意が必要な方

以下に当てはまる方は、診察の際に必ずお申し出ください。

  • 妊娠中および授乳中の方
  • 乳製品に対して過敏症の既往歴のある方

予防投与の予約について

ご予約は不要です。受付時間内にお越しいただき、スタッフにお申し出ください。他の患者様も含めて順番に対応させていただきます(ご家族複数名が希望される場合は代表者の方がお越しください)。
なお、オンラインや電話・郵送での対応は行っておりません。予防投与は当院にご来院いただける場合に限ります。

予防投与の費用

自己負担額:5,500円(税込)
※予防投与は医療保険の適用外のため、全額自己負担となります。

予防投与のタイミング

  • 近くでインフルエンザの陽性者が出た場合
    接触後48時間以内に内服開始が必要です。
  • 大切な仕事や受験などを控えている場合
    7日前頃の投与をお勧めしています。
    ※投与後10日間程度効果が持続するとされています。

投与薬の種類と注意点

当院では、「第一三共 イナビル吸入粉末剤20mg」を処方いたします。

その他

予防投与でインフルエンザの発症を完全に防げるというわけではありません。手洗いやうがい、マスク着用などの基本的な感染対策や、インフルエンザワクチンの予防接種を併用してください。